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補助金・助成金の傾向と対策

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●補助金・助成金の最新動向●

 

ここ数年の補助金・助成金動向

経済産業省を中心とした補助金・助成金・委託費(以下、補助金)、厚生労働省の雇用関係の助成金・給付金・奨励金(以下、助成金)は政策誘導的な側面を持っているため、その傾向は時期によりそれぞれ特徴を有している。

ここ数年の補助金について見ると、個別の企業に対するもので考えた場合、現状では技術開発関係及び情報技術関係に力点が置かれている。これは産業の空洞化が進む現状で、付加価値の高い新技術・新産業の誕生が求められている結果であり、またこれら新技術・新産業が雇用創出の源泉となるからである。特に平成11年から始まった日本版SBIR(中小企業技術開発制度)に係る特定補助金等はその重点施策となっており、国等の研究開発予算の中小企業への支出機会の増大、及び特定補助金等により行なった研究開発成果の事業化支援を図っている。

助成金については雇用創出に結びつく創業時や新分野進出時等の人材確保のための助成金から、非自発的離職者の雇入れに関する助成金、及びそれら人材に対する能力開発にその力点が移行してきている。今後も続く大失業時代を睨んだ内容となっている。

補助金の平成14年度の動向

中小企業庁による平成14年度中小企業政策においては、経済構造改革を可能な限り円滑に進めるべく、金融セーフティネットの整備を図るとともに、構造改革後のわが国経済社会発展の基盤となる中小企業の新たな展望を開くため、創業の促進、経営革新の助長、中心市街地・商店街活性化に重点を置いた中小企業対策を展開することとなっている。

このうち補助金については、創業の促進では産学官連携推進事業、経営革新では技術による経営革新(中小企業や地域研究機関が持つ技術シーズの事業化等)やITによる経営革新(企業間連携ネットワークシステムの開発・導入等)、新たなビジネスモデルの展開等に力点が置かれている。

助成金の平成14年度の動向

本年度の労働政策は、構造改革を着実に進めるための労働市場政策の展開と人材大国の確立を目指した人材育成の推進が重点政策となっている。

 この中で助成金の重点は当面の緊急かつ最大の課題である不良債権処理等の推進に伴って生ずる雇用への影響を最小限に押え、雇用の安定を図っていくため、「就職支援特別対策パッケージ」を発動し、雇用面のセーフティネットを整備することにある。具体的には雇用環境の変化により、特定求職者雇用開発助成金の機動的な運用、雇用調整助成金や労働移動関係助成金の積極的な活用等を図ることである。

省庁間の取組み

手続きにおいては昨年度から新規・成長分野雇用創出特別奨励金における新規・成長分野事業の認定に従来の15分野に加え、経済産業省所管の中小企業創造活動促進法及び中小企業経営革新支援法に基づく事業が対象となったことや中小企業経営革新支援法の承認を受けた企業が中小企業雇用創出助成金を申請する際に手続きが簡便化されるような省庁間を越えた相互乗り入れ的な傾向は今後も拡大する方向である。

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●補助金・助成金の活用の留意点●

 

補助金・助成金両者の共通点・相違点

補助金、助成金は原則返済不要の資金である。これ以外に両者の共通点としては、@精算払い、A併願・併給調整がある。

精算払いとは、技術開発のための原材料や新事業のために雇い入れた従業員の賃金等の経費をまず企業の側で支払ったのち、ある一定期間経過後に企業にそのうちの何割かが入金される(後払い)システムである。つまり補助金や助成金を申請しても基本的に企業の側でまず自腹を切らなくてはならない。一部助成金のうち経費が発生せずに受け取れるもの(奨励金)もあるが、基本的には後払いとなっている。

次に併願・併給調整であるが、これは同じような補助金・助成金を同じ企業が同時に受給することを避けるために、申請自体を制限することである。多くの企業に補助金・助成金の受給チャンスを与えるために設けられた制度である。

一方、両者の違いは、助成金は要件等が合えば受給できる可能性が高いことに対し、補助金は予算の関係上、採択数が確定していることから申請しても必ず受給できるわけではない。提出された申請書の内容を厳密に点数化し、点数の高い申請内容(企業)から採択されるということから、よく入学試験に例えられる。

さらに助成金は長期に渡りその申請期間が設けられていることに対し、補助金はその多くの申請期間(公募期間)が一ヶ月程度である。このため補助金申請には事前の情報収集と申請書作成のための準備が必要である。

 申請から受給まではおおよそ表1のような流れになるが、資金調達の手段になるとは言え、実際には精算払いということもあり、事業費が自己資金で賄えないのであれば、申請と同時期に融資の手続を行なわなければならない。その点、補助金・助成金ばかりではなく色々な公的支援制度を組み合わせた運用が必要となる。

補助金の活用の留意点

 前述の通り、補助金申請は入学試験である。そのためこれを活用する(採択される)ためには事前に考えておかなければならないことがある。

@補助事業を採択されなくても、申請する内容の事業を実施するか

これは採択されなければ実施しないというのであれば、良い申請書を作成することが困難だからである。付け刃で対応できるほど、申請手続きは簡単ではなく、そのような状態で採択されたとしても後で後悔することにもなる。もともと自社で持っている事業や技術開発等のプランに補助金が合うかどうかという視点で、取り組むことが大前提である。

Aその補助事業を今現在実施しなければならないか

補助事業については確かに資金面をはじめ様々なメリットがあるが、反面色んな義務が生じるため(企業規模や能力にもよるが)、場合によっては本業を圧迫することもあり得る。このため、その企業がやらなくてはならないことの中で補助事業自体の優先順位が低い場合、申請を見合わせることも必要である(少額の補助事業のため泣いている中小企業は結構ある)。

B補助金に関する認識

補助金については前述の通り、返済不要ではあるが、精算払いということから事業費を当初全額自己で賄う(自己資金又は借入)ことが必要である。借入を前提として補助事業を実施する場合、よほど良好な財務体質の企業もしくは財務的な協力体制がない限り、実行性といった意味で採択は難しい。また仮に1/2の補助率であったとしても採択後の事業手続説明会や精算の段階で必ずと言っていい程、対象経費を減額される可能性が高いことから、補助金についてはあまり資金調達と捉えないほうが良い。単純に資金調達のためということであれば、他のメニューも検討することが望まれる。結論として、補助事業は資金調達というよりも、むしろ事業を通じて企業がステップアップするための企業全体の教育訓練(ツール)と捉えるべきだと思う。

C申請先をどこにするか

  国、都道府県で同様の補助金があるが、この場合それぞれで補助率が異なる。通常、国は1/2、都道府県の場合2/3というケースがほとんどである。ただし限度額は国の方が高いため、補助事業の規模等によりどちらを選択すべきか考える必要がある。

また都道府県のものについては、確かに限度額が募集要綱等に明記しているが、多くの企業へ補助事業の利用機会を確保するため、担当部課の内規により実際の限度額が明記されているものより低い場合がある。これについては事前に窓口に出向き、補助事業の内容も含め、相談してみるのが得策である

 さて申請書の作成留意点であるが、表2を見ていただきたい。これはSBIRのうちの課題対応技術革新促進事業(F/S、R&D)の審査基準である。これほど審査基準が明確になっているものがないため、技術開発関係の補助金申請の際には是非参考にしていただきたい。

また実際の申請書作成の際には

・全体を通じて整合性を図る

・各項目の枠の大きさにとらわれない

・申請書に盛り込む項目にアピールしたいことに関する欄が無い場合、参考書類として

付する

・添付書類については、指定のものに限らず、様々なものを用意する

等、留意していただきたい。

助成金の活用の留意点

 助成金の申請については補助金に比べ、申請書の書き方自体にそれほど難しさはない。書いていなければ点数とならない補助金と違い、モレは窓口で指摘してもらうことができ、書き方も教えてもらえる。

むしろ助成金申請及び支給申請の際注意しなければならないことは、添付書類と申請期間の確認である。

 添付書類については必要となる書類・規程類等を用意していない場合、これを準備しなければならない。ただこれについては事業を推進する上で当然必要となるものがほとんどであるため、助成金申請に伴って積極的に整備をしていくという姿勢を持っていただきたい。

 申請期間については要件との兼ね合いでそれぞれの企業で異なるため、忘れないようにしておくことが必要である。特に助成金は要件が合えば、ほぼ必ず受給できるにもかかわらず、受給率がそれほど高くない理由には、対象となる助成金があることを知らなかったということや知っていたが申請することを忘れていたというケアレスミスに近いものが多いと考えられる。事前にどのような助成金があるのかをそれぞれ確認してもらいたい。

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●補助金・助成金を活用するためのポイント●

情報収集を心掛ける

公的支援、特に補助金の情報の流れは早い。そのための情報収集を怠ってはいけない。前述にある通り、補助金の公募開始は一般的に締切りから一ヶ月前である。仮に公募開始と同時に補助金の存在を知ったとしても、一ヶ月で申請書を書き上げるのは至難の業である。まして公募開始の時点でその補助金の存在すら知らなければ、申請すること自体おぼつかない。そのため、常日頃の情報収集が必要になる。

現在、補助金・助成金に関する情報を収集するためにはインターネットの利用がもっとも有益である。情報が出てくることが早い上、申請書等のダウンロードが可能だからである。このため中央官庁や各都道府県庁等行政機関のURLは是非ブラウザのお気に入りに登録し、定期的に閲覧してもらいたいものである。

役所の敷居を高いと思わない

補助金・助成金の申請を行う窓口となるのが行政機関やその他関係機関である。これらの機関は行き慣れない者にとっては敷居が高く感じるものである。だが実際に行ってみると対応する担当者によって若干の違いはあると思うが、そのような考えは杞憂に終わることが多い。

公的支援制度自体は行政サービスの一端であり、様々な支援メニューが用意されている。しかし企業から見た制度の印象については、「どこでどのような制度があるのか、よく分からなかった」、「知っていても申請が面倒そうだからトライしない」といった意見がよく聞かれる。自身だけで色々と考えるよりも、自社に合った補助金・助成金に関する情報提供や申請等に関するアドバイスを各機関に自ら直接出向き、問い合わせれば案外解決するものである。つまり案ずるより生むが易しである。このため積極的に各機関に出向き、フェイス・トゥ・フェイスのやりとりをする姿勢が求められる。要は各機関の担当者に対し「自社の外部専門家だ」というくらいの気持ちを持つことが必要である。

自社の事業計画書を常に完備しておく

補助金・助成金に企業を合わせるのはもってのほかである。自社の事業計画に応じた制度をうまく活用するということが肝心である。

こういう例がある。補助金・助成金等を受給するため、わざわざ受給の要件に合わせるような事業活動や経営システムの構築を申請書等に盛り込むケースである。例えば、助成金が出るからということで、それ程必要でもない人材を採用するようなこと等が挙げられる。このようなことは決してしてもらいたくない。これでは補助金・助成金を受給することが目的となり、本来の円滑な事業活動を阻害することになるからである。あくまで自社の事業活動の中で将来目指す方向の途中に活用できる補助金・助成金があれば、タイミングよく利用することが望まれる。そのためには将来目指す方向を見据えた自社の事業計画書を用意しておくことが大変役に立つ。

公的支援を活用する上で、事業計画書を用意しておくメリットはさらに、@公募期間や受付期間が短期のものについても、事業計画書があれば申請書作成の基礎資料となるため、素早い対応が可能となる、A申請書類以外に事業計画書を添付することにより申請書の内容的な不備を補完することができる、等がある。

平成12年2月に東京都商工指導所(現在は組織変更し、廃止)が「ベンチャー企業の実態に関する研究調査報告書」という報告書を発行した。この中で、 外部からの資金調達に有効だったもの(複数回答)として、事業計画書(55.0%)、創造法などの認定(46.7%)、特許などの知的所有権(29.6%)、製品・サービスの仕様書・説明書(26.3%)、その他(10.4%)となっている。

是非検討していただきたい。

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